top of page


現代のような検査機器のなかった古代に、人の五感を使うことによって生まれた診察方法の漢方。


人の体質はもちろん、それに伴う嗜好はこうもひとりびとり違うのか、変化するのかと焙煎をはじめてから新鮮さと驚きのなかにいます。

また珈琲豆も同様に、生産地はもちろん、作り手によって大きく個性が異なることを焙煎を通して実感する日々です。

そうした一人ひとり微妙に異なる嗜好に、珈琲豆の個性に、臨機応変に自らの嗜好の及ぶ範囲で応えてみたい。

そのような思いのなかでふと、見えないものをみようとする、また刻々と変化する自然のなかでその時その人に向けた最適解を五感を活用しながら導きだそうとする漢方の考えかたはもしかすると味や店づくりに有用なのではと感じたのでした。

そして漢方薬の複雑さを伴った滋味、それでいてくどくないそれぞれの味が個人的にとても好きで、その配合などを珈琲や菓子に転用できるのではと思ったのです。


そうした思いにもとづく仮説を実践の場にうつし、珈琲、菓子と漢方の相互に学びを深めながら味づくりを試みているのが布衣です。※


珈琲や喫茶、それに携わる先人や先輩方に畏怖の念がとてもあります。

そのようななかで師をあおがないこと、漢方の考えを師とすることが奇をてらうわけでも不遜な態度をとっているわけでもなく、この時世に見えないものをみようとするための方法のひとつだということを珈琲や菓子の味でご理解頂けるように今後精進してまいります。


どうぞよろしくお願いいたします。


※生薬と珈琲の薬理的な相性とは離れ、あくまで考え方を用いらせて頂いています


bottom of page